ISRCコードとは?ISRC・UPC・ISWCをわかりやすく解説
ストリーミングの支払いも、チャートへの登録も、ラジオの報告も、いくつかのコードを手がかりにあなたの音楽を見つけています。この記事では、ISRC・UPC・ISWCとは何か、どう取得するのか、どんなときに新しいコードが必要になるのか、そしてアーティストがお金を取りこぼす原因になるミスを解説します。
以下のISRCに関するルールは、国際ISRC登録機関のサイト(isrc.ifpi.org)の内容で、2026年10月13日に確認したものです。個別のケースで迷ったときは、ディストリビューターか、お住まいの国のISRC機関の判断に従ってください。
ISRCとは
ISRC(国際標準レコーディングコード)は、録音のIDです。楽曲そのもの(作品)でもリリースでもなく、特定の録音バージョンひとつを指します。ストリーミングサービス、ストア、ラジオの放送調査、管理団体は、このコードでどの録音が再生されたかを把握し、誰に支払うべきかを判断します。
ミュージックビデオは音声とは別の録音なので、それ専用のISRCが付きます。
ISRCの読み方
ISRCは12文字で、読みやすいようにハイフンを入れて表記されるのが一般的です(ハイフンはコードには含まれません)。ISRCのサイトにある例 AA-6QZ-20-00047 で見てみましょう。
| 部分 | 例 | 意味 |
|---|---|---|
| プレフィックス | AA-6QZ | コードを割り当てる人(レーベル、ディストリビューター、アーティスト)に、ISRC機関が付与する5文字。最初の2文字は通常、国に対応します。 |
| 年 | 20 | コードを割り当てた年の下2桁。録音した年ではありません。 |
| 識別番号 | 00047 | プレフィックスの持ち主が録音ごとに付ける5桁の数字。同じ年の中で重複しません。 |
ISRCの取得方法
- ディストリビューターから。多くのデジタルディストリビューターは、アップロード時にISRCの欄が空なら、各トラックにISRCを割り当ててくれます。初めてのリリースなら、たいていこの方法です。
- レーベルから(所属している場合):レーベルが自社のプレフィックスで割り当てます。
- 自分のプレフィックスで。アーティストやレーベルは、自国のISRC機関にプレフィックスを申請し、自分でコードを割り当てることができます。リリースが多い場合やディストリビューターを乗り換える場合は、コードがずっと自分のものになるので、取る価値があります。
どの方法でも、コードを割り当てたその日にすべて記録しておきましょう。すでにISRC付きでリリースしたトラックを再び納品するとき(たとえば新しいディストリビューターに)は、同じコードをそのまま使ってください。
新しいISRCが必要になるとき
ISRCのサイトにあるルールは単純です。別の録音にはそれぞれ別のISRCを付け、新しい録音や大きく変更された録音には新しいISRCを付けます。一度割り当てたISRCは、別の録音に付け直されることはありません。
| ケース | ISRC |
|---|---|
| シングルを、のちに変更なしでアルバムに収録 | 同じISRC |
| 同じマスターをコンピレーションやプレイリストに収録 | 同じISRC |
| リミックス、ラジオエディット、アコースティック版、ライブ版 | 新しいISRC |
| 長さの違うバージョン | 新しいISRC |
| ステムから作り直したサラウンドやイマーシブのミックス | 新しいISRC |
| その曲のミュージックビデオ | 音声とは別の、専用のISRC |
| リマスター | 通常は同じ。創造的な変更が実際に加わっている場合は新しいもの。迷ったらISRC機関に確認を。 |
UPCとは
UPCは、リリース、つまり商品としてのシングル、EP、アルバムのバーコード番号です。北米以外では13桁のEANとして見かけることが多く、どちらも同じGS1バーコード体系に属します。3曲入りのシングルなら、UPCは1つ、ISRCは3つです。
UPCは通常、ディストリビューターやレーベルが付与します。リリースを別のディストリビューターに移すときは、元のUPCとISRCをそのまま引き継ぐよう頼みましょう。新しいコードにすると、そのリリースの履歴やリンクが分断されることがあります。
ISRC・UPC・ISWCの比較
| コード | 識別するもの | 通常、誰が付与するか | 用途 |
|---|---|---|---|
| ISRC | 録音(マスター) | ディストリビューター、レーベル、またはプレフィックスを持つアーティスト | ストリーミング、販売、ラジオ、著作隣接権 |
| UPC / EAN | リリース(シングル、EP、アルバム) | ディストリビューターまたはレーベル | ストア、プリセーブ、チャート |
| ISWC | 楽曲としての曲(メロディーと歌詞) | 作品を登録したときの管理団体 | 作家のための出版印税 |
1回の再生で生まれたお金は、両側へ流れます。ISRCは原盤に支払われ、その背後にある作品(ISWC)は作家と出版社に支払われます。全体像を知りたい方は、音楽印税の仕組みをお読みください。
お金を取りこぼすミス
- 新しいディストリビューターに、すでにISRCのあるトラックへ新しいISRCを割り当てさせてしまう。再生数が2つのコードに分かれてしまいます。
- オリジナルとリミックスに同じISRCを使う。プラットフォームも管理団体も区別できません。
- 作品を登録していない。ISRCがカバーするのは録音だけです。作曲については、管理団体や出版社に別途登録が必要で、タイトルは同じに、権利配分はスプリットシートのとおりにします。何をどこに登録するかは楽曲の著作権登録のしかたにまとめています。
- 場所によってタイトルやアーティスト名が違う(ある場所では「feat.」、別の場所では「&」)。コードと人を結びつけられるかどうかは、メタデータがどこでも同じかどうかにかかっています。
- 一覧を作っていない。どのISRCがどのバージョンのものか答えられないレーベルは、シンクの依頼や印税の請求が来たときに、直すのに何日もかかります。
コードをきちんと管理する
録音1つにつき1行のスプレッドシートで十分です。タイトル、バージョン、ISRC、収録されている各リリースのUPC、その曲のISWC、作家と権利配分を書いておきます。リリースのたびに、リリース計画チェックリストの一部として確認し、ディストリビューターから最終のコードが届いたときにも確認しましょう。
カタログを持つレーベルなら、TONTRIA for Labelsが、すべてのリリースのUPCとISRC、アートワーク、クレジット、権利配分を納品チェックリストで管理するので、不完全な状態でディストリビューターに届くことがありません。出版社は、作品とそのISWC、作家、権利配分をTONTRIA for Publishersで管理できます。これからレーベルを始めるなら、コードは最初に整えるべきことのひとつです。レーベルの立ち上げ方もご覧ください。